田圃

田圃に水が張られた。夜の畦道は鏡の淵を走るかのよう。小雨が止むと、星を映す水面で農家の住まいが逆さになり、新幹線が高架を駆け抜けるたび、窓の光が平野の鏡面に一筋の線を描く。風を切る轟音が去るとまた、一面は蛙の声。

テキストのコピーはできません。