みずがめ座は、ふとした拍子に割れてしまうもののなかに、こぼれたら二度ともどらないものを入れて運んでいます。目の前に水の入った容れ物があるとき、その実体にはいつも影のごとく、割れて中身の飛び散った惨状がつきまといます。みずがめ座のもとへ生まれたからには、そんな容れ物を運ぶ危うさに気づかないふりをして飄々と働き、心中ではどうにでもなってしまえと開きなおるほかありません。わたしたちはしばしば不注意で水をこぼすでしょう。ほかの星座はわたしたちのふるまいにため息をつきますが、みずがめ座の知ったことではありません。だって、みんなため息をつくだけで、ほんとうは水瓶に触れるのすらおそろしくてたまらなくて、誰ひとりとしてみずがめ座の仕事を代わってはくれないのですから。
